「誤算だったな
卒業旅行ですって?
エリート刑事と検死官がいたら……私の犯行なんてすぐにバレたでしょうね」


真琴が下唇をかみしめる


「いや、わからなかった
疑わしい人物が多すぎて……三沢の部屋に入るまでは、容疑者が多くいた」


「陸の部屋で?
私はあの部屋には入ってないわ」


「入ってないからこそ、三沢の生きていた足跡がたどれた

谷と争って相討ちになったのではないと確信を得られた

そして携帯を見た
谷と三沢と真琴さんの写真が何枚も撮ってあった

10枚も見ないで、三角関係だとわかった
でも真琴さんは東京に婚約者がいると話していた

婚約者と結婚するために、自分の過去を抹殺したかったのだろうと容易に思いついたよ

真琴さんは警察官だし、覚せい剤に手を染めているような男たちとは縁を切りたいだろうってね」