『続きまして次のニュースです
つい先ほど入った情報です
14時ころ、○〇公園で男性の遺体が発見されました
椅子のベンチで全裸になっており、こめかみには銃で撃たれたあとがあることから……』

「なあ、そろそろ行くで!
ほんまに乗り遅れたら、洒落にならん」

瑞希の発言に、俺は頷くと鍵を車から引き抜いた

「ニュースにあった公園ってこの近くだなよ?」

俺は車から降りると、瑞希に質問をした

駐車場内は、ドアの開閉音や声が響く

「ああ、そう言えばそやな
竜ボンのカーナビに書いてあったなぁ……て、事件に首突っ込む時間はありません!」

瑞希は助手席のドアを閉めると、俺に指をさした

「推理が好きかもしれへんが、考えるんは旅行から帰ってからや
ぎょーさん、考える時間をやるよって
新聞とにらめっこしながら、あーでもないこーでもないとブツブツ推理しなはれ
んで、恋人の遥ちゃんに振られてこい!」

「遥に振られたら、お前のせいだ!」

俺は車のトランクを開けると、旅行鞄を出した

俺は小さなショルダー鞄一つ。

瑞希は大きなローラー付き、旅行鞄が一つだ
しかもなんだか、いろいろ敷き詰めてきたらしく、かなり重たい

「俺の将来がかかってるんや
代償は大きいに決まってるやんか!」

「……んで、こんなに鞄が重たいんだよ!
死体でも入れてきたか?」

「失礼なヤッちゃなあ
死体やない! 俺の愛がぎょーさん詰まってるんや」

鼻の穴を大きくふくらませて、瑞希が胸を手で押さえる。

ものすごく幸せそうな顔をしている瑞希の顔が、憎らしく見えた