俺が食堂に入るなり、真琴が俺の前に立って深々と頭を下げた

「申し訳ありませんでした!
藤城警部補だとは思わなくて……私は上司に向かって」

俺は真琴に手を振って苦笑した

「わからなくて当然だよ
俺が一言も警察関係者だって言わなかったんだ
君は所轄の地域課所属
俺は本庁の捜査一課
所属も部署も違うんだから気にする必要はないよ」

俺は真琴から視線を動かすと、瑞希以外の旅行者がいるかどうか
確認した

良かった
誰も逃げていない