「がんばれよー」

俺は楽しそうに微笑んで、瑞希の肩を叩いた

「藤城、お前もだ!」

黒のスーツを着ている恰幅の良い男に俺は突っ込まれた

「え?」

真琴が驚いた声をあげた

「森谷、わかってるよ」

俺は手袋をズボンのポケットにしまうと、手帳に巻かれてある長い紐を伸ばして、輪をつくると首から下げた

「警視庁捜査一課の藤城です」

俺は警察手帳を広げると、まわりの人間に見えるようにかざした

「警部補?」

真琴の目が丸くなった

俺は真琴に微笑むと、警察集団の輪の中に入っていった

「係長、現場、どこです?」

細身な体格の遠藤 豊が質問してきた