「えぇ? 竜也と前に勝負するって約束してた! 俺、強くなったんだぜ」
「竜乃は強くなったか! 瑞希よりも強くなったのか?」
「瑞希は弱えよ。竹刀の持ち方すらなってねえ」
「なんやて? 素人相手に、本気で襲いかかってくる餓鬼に言われとうないで」
「藤城家で生活する男は、強くなくてはならない!」
竜乃が瑞希に食いかかってきた
小さな肩がいきりたっている
「へなちょこ餓鬼に言われとうない! 腕っぷしが強いだけが、男やないでぇ」
ソファから立ち上がった瑞希が、細い腕を見せた
筋肉のない細い腕だ
「見るからに、弱そうな男だな」
俺がぼそっと呟くと、瑞希の眉が吊りあがった
「失礼な奴やな! 俺は頭脳派なんや」
「医学部にぎりぎりで受かった男に言われてもなあ。説得力にかける」
「エリートさんで、剣道家な男は口挟むなや」
瑞希が唾を吐きだしながら、視線が竜乃に向いた
「はいはい、そこまでにしてください
船の時間があるのでしょう?」
祖母が間に入ってくる
「そうだ、何時に待ち合わせなんだ?」
俺は腕時計で時間を確認する
11時15分を針が示していた
「15時に出港予定なんや
だから14時半くらいには港に着くように……」
「竜也と瑞希が旅行?
男二人で旅行なんてださっ」
竜乃がくすっと馬鹿にして笑うと、瑞希がぎろりと睨んだ
「男のビックイベントや
俺の将来がかかってるんや!」
瑞希は立ち上がると力説をした
俺は大きく息を吐き出すと、竜乃と一緒になってあきれ顔をつくった
「竜乃は強くなったか! 瑞希よりも強くなったのか?」
「瑞希は弱えよ。竹刀の持ち方すらなってねえ」
「なんやて? 素人相手に、本気で襲いかかってくる餓鬼に言われとうないで」
「藤城家で生活する男は、強くなくてはならない!」
竜乃が瑞希に食いかかってきた
小さな肩がいきりたっている
「へなちょこ餓鬼に言われとうない! 腕っぷしが強いだけが、男やないでぇ」
ソファから立ち上がった瑞希が、細い腕を見せた
筋肉のない細い腕だ
「見るからに、弱そうな男だな」
俺がぼそっと呟くと、瑞希の眉が吊りあがった
「失礼な奴やな! 俺は頭脳派なんや」
「医学部にぎりぎりで受かった男に言われてもなあ。説得力にかける」
「エリートさんで、剣道家な男は口挟むなや」
瑞希が唾を吐きだしながら、視線が竜乃に向いた
「はいはい、そこまでにしてください
船の時間があるのでしょう?」
祖母が間に入ってくる
「そうだ、何時に待ち合わせなんだ?」
俺は腕時計で時間を確認する
11時15分を針が示していた
「15時に出港予定なんや
だから14時半くらいには港に着くように……」
「竜也と瑞希が旅行?
男二人で旅行なんてださっ」
竜乃がくすっと馬鹿にして笑うと、瑞希がぎろりと睨んだ
「男のビックイベントや
俺の将来がかかってるんや!」
瑞希は立ち上がると力説をした
俺は大きく息を吐き出すと、竜乃と一緒になってあきれ顔をつくった