涙が溢れた。
どんどん涙が溢れ、私は何かを感じた。
前に進むってこういうことなのかも知れない。
目を背けたり、避けたりしていたいろんなことに向き合ったことで私は少しだけ進めた気がした。
直や先生や誠人が
私の背中を押してくれた。
降りる駅に到着し、私は電車から降りた。
高森勇介に会いたかったけど、また会えるからいい。
約束があるから。
大丈夫。
でも、私に会いたかったのは、アイツの方だったらしい。
探していたのはアイツ。
ちゃんと仕事しなよ、勇介。
中から必死で私を探していた勇介は、私を見つけるとぶんぶんと大きく手を左右に振った。