目が覚めて、私は頬に伝う涙を拭いた。 そして、かばんの中に入っていた直と作ったクッキーをひとくち、口へと運んだ。 「甘い……」 直と作ったクッキー。 家族で作ったクッキー。 ごめんね、直。 いじめてばかりで。 ごめんね、お父さん。 反抗ばかりして。 ごめんね、お母さん。 心配かけてばっかりで。 ごめんね、私…… 自分をずっと好きになれなくて。