私は財布の中の笑顔の理恵子の写真を見つめた。
窓の外の景色はとても早く動き、目がついていけない。
私は窓に写真をたてかけ、座席を少し倒した。
いきなり思いついて旅行に出かけた私だったけど、この旅がこんなにも私を変えてくれるなんて。
もうミキオとの恋を悔やんだり、引きずったりすることはない。
大事な、素敵な恋だった。
理恵子がくれた出会いだった。
ミキオとの恋は、切なくて苦しかったけど、私の青春だった。
恥ずかしい恋だなんて思う必要はない。
胸を張って、ちゃんと前に進もう。
いい恋をしたんだよね、理恵子。
私、ミキオと付き合っていた過去を忘れなくていいよね。