ミキオとの恋を断ち切ることよりも、理恵子の死を受け入れることの方が、難しかったんだ。



でも、もう大丈夫。



ここに来て、わかった。


ミキオを愛していたわけじゃなく、理恵子を知っているミキオが好きだった。


理恵子から紹介されたミキオに恋をしていた。





私は、誠人からのデート報告メールを見る。




アイツも……

頑張ってる。




私も頑張ろう。





店を出た。




空を見上げた。





何となく、あの人に会いたくなった。





もう名前を覚えてしまった。



高森勇介。