それから私と理恵子は、時々学校をサボってライブハウスに出かけた。
ライブがある日は、みんなと話せないからライブのない日に行って、メンバーの一員のような気分になっていた。
連絡先を聞いてきたのはミキオの方なのに、一度も連絡がない。
それがミキオの作戦。
きっとそうだ。
バンドのメンバー4人と、理恵子と私の6人で他愛もない話をしている瞬間、私は生きていて良かったと思えた。
ここが自分の居場所なんだと思った。
「声をかけたのが奈美で良かった!私達、運命なんじゃない?」
理恵子の頭を軽く叩いた。
「ばーか」
あの日、遅刻してきた理恵子と偶然会って、そして、ここへ来た。
本当に運命なのかも知れない。