ドキドキしていた。
またバンドの練習が始まった。
その部屋だけが異空間だった。
ユウの歌声が遠くから聞こえる。
「行かなくていいの?」
私がミキオにそう聞くと、顔を近づけたミキオが言った。
「俺を誰だと思ってんの?俺は今ここにいたいから」
そう言って
キスをされた。
初めてのキスじゃない。
でも震えた。
心が震えた。
人間の唇ってこんなにも温かいんだ。
たった数秒唇を合わせただけで、ミキオのすべてがわかったような気がした。
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