「今日、友達連れて来たんです!!」
理恵子は私の腕を引っ張って、私をミキオの前に突き出す。
「ふーん。人生いやになってるって顔してんね」
初対面のミキオは、私にそんなことを言った。
恋愛経験はそこそこ多い方だった私だけど、本気で誰かに恋をしたことってあんまりないんだ。
身近な楽な恋愛ばかりで……
ベースを弾き始めたミキオをただ遠くから見つめていた。
私はミキオから目が離せなくなっていた。
「かっこいいでしょ!?」
理恵子の言葉に、私は何も答えなかった。
理恵子よりも私はミキオのことを知っている気分になっていた。
ミキオ。
私を助けて。
そうだよ。
私、人生がいやになってる。
生きてる意味もわかんない。
だから助けてよ。