「ミキオってどれ?」


ミキオを探したけど、それらしき人がいない。


「ミキオは自由人なの。まだ来てないんじゃないかな」



自由人。


私はミキオという男の人にとても興味を持った。



今付き合ってる彼氏は、親の言いなりになって実家を継ぐと言ってるから

もう別れようと思っていた。



実家の仕事が好きならいいけどいつも文句ばかり言ってるくせに。



自分ってものがない男は嫌い。




「来た!!」



曲が終わったところだったので、理恵子の声はライブハウスに響いた。




「何?俺の噂してんの?」



茶色い髪にピアス。


暗い部屋の中でミキオは輝いていた。