誠人があまりにも真剣に話してくれたから、ついつい私も話してしまった。
誰にも話したことのない話を。
もう何年経つんだろう。
確か、あの日……
直が先生と2度目に別れたことを知った日だった。
先生に子供がいると知って、相手の為に身を引いた直を見ていて
悔しくて、私も別れようと決心したんだ。
アイツには本命の彼女がいたから。
私のことを堂々と「2番目」だなんて言う男とずっと付き合っていた私。
でも、好きだった。
最低の男だってわかっていたけど、離れられなかった。
いつか私を「1番」にしてくれると信じていた。