日曜の昼過ぎ


お父さんが出かけたみたいだから、今、お母さんに話そう。

そう思って階段を降りていると、茶の間から電話の話し声がとぎれとぎれに聞こえてきた。



「ん・・・そうだったの・・・うん・・・そうだね、私達親は今まで通りで・・・」


はっ とした。すぐにわかった。

タイちゃんのお母さんと話してるんだ・・・


私は部屋に戻った。

もう、別れたことバレちゃったんだ・・・・っていうか、タイちゃんの親はもう知ってたんだ・・・




でもバレちゃったけど、やっぱり言わなくちゃね・・・

私は決心して、電話が終わったころを見計らってもう一度茶の間へ向かった。



茶の間に入って、お母さんの様子を探ったけど、お母さんは何事もなかったかのような態度だ。

・・・・・・・・・

「お母さん・・・知ってるかもしれないけどね、タイちゃんと別れたんだ。それで、今別の人と付き合ってる。」

一気にしゃべった。


「そうなんだってね。でもタイちゃんのお母さんと話して、お母さん達は今まで通りで、って言ったから・・・」

「うん・・・」

「お母さんね、かほはタイちゃんとしか付き合わないで、結婚してもいいのかな?って思ってたんだよね。今付き合ってる人は、どこの人?」


えっ!?

どういう意味っ!?


「私の会社にある運送会社で働いてて、19歳。でも、しっかりしてるよっ!」


「えーっ!19歳なんて、いくらお給料もらってるの?ちゃんと生活していける人なの?」


「べっ別に、今すぐ結婚するわけじゃないのに、給料とか関係ナイでしょ!!」


「・・・・・名前は?」


「平塚裕樹 君」



お母さんは、それ以上何も言わなくて、


でも、タイちゃんとのことを責められるかと思っていた私は、少しホッとした。

タイちゃんの親との仲も悪くはなってないみたいで安心した。