学祭の出し物も決まって、楽しい気分のまま下校。

でも……
「今日、健哉のこと見てないなぁ〜」

心配になってあたしは家に帰って健哉の携帯に電話をした。


プルルルルル…──

コールが長い間、続く。
それと比例してあたしの不安も大きくなっていく。

カチャッ…─

コールが切れて健哉の携帯にやっと繋がった。

「もしもし…!健哉?」
『どうしたの?千春?』

やっと聞けた健哉の声は鼻声だった。

「今日、学校で健哉に会えなかったから…どうしたのかなぁ?って。風邪、ひいたの?」

『うん…。学校、休んだ。…あのさぁ……』
「何っ…?」

『今から俺の家に来てくんない…?』