「ほぇ~……こりゃ驚いたな」

「……ほんとに何なんでしょうね、彼女。

滅茶苦茶に金持ちのパトロンでもいるのかな」
 
その頃岩井と小林は、奈央達の後を追い、

マンションの前に立ち尽くしていた。
 
ただし、車を置き去りにするわけにはいかず、

免許を持っている岩井が運転をし、

持っていない小林が直接電車で彼女達を追った。

「で、部屋はどこだ?」

「……それが、ここはセキュリティーが鉄壁で、

番号が分からない人間は、ロビーまでしか入れなかったんです」

「ほほう……。

じゃ、お前が手に持ってるそれとは、全く関係無いんだな?」