美代の呼んだ救急車で英作はすぐに病院へ運ばれた。

雪がクッションになったので命に別状はなかったが、左足首の骨折とあちこちの打撲で三週間の入院となった。

英作の見舞いに訪れた善吾郎は、天井から足を吊った痛ましい姿の仇敵を、やりきれないような顔で見つめた。