「英ちゃん! どこさ行ったべ? しょんべんかい?」

不安をごまかすように軽口をたたきながら善吾郎は周囲を見回す。

雪が落ちて山になっているあたりを見ると、黒い長靴が雪山から空に向かってつきだしていた。