「すまんかったなぁ、美代さん。びっくらこいたべ? したけど、金のスコップさはならんかったっけか」

冗談を言ってごまかしながらも、柴田はしきりに頭を下げている。

美代の登場で険悪になりかかっていた場の雰囲気が和んだとき、

ざざざっ!

と大きな音がしてどこかの屋根の雪が落ちた。