「そっか。そうだべ」

善吾郎は満足そうに頬を緩めた。

「きっともって、今日あたり来ると思うべさ。このままじゃ年越しできんからなぁ」

来る?

その言葉に陽一は妙なひっかかりを覚えたが、酔った年寄りの言葉尻をとらえて云々するのも大人げない。

多分、昼間の除雪の疲れで老人は朝までぐっすりだろう。

ここはおとなしくつきあうのが婿の勤めというものだと思って善吾郎に調子を合わせた。