「なした? どってんこいちまったべか?」

善吾郎は笑いながら、びっくりしたのか、と訊いているのだが、陽一にはいまひとつ意味が理解できなかった。

とりあえず老人に負けるわけにもいかないので、平静を装って、雪の山にジョンバを突き刺してみた。

「ほら、そったらへっぴり腰では、どもならんべ」