一瞬の大崩落のあと、周囲にむんむんと雪煙がたちこめる。

わずか一軒の家の屋根から落ちた雪とは思えぬ迫力。

陽一にとってはエベレストの冬山登山で雪崩に巻き込まれたような衝撃だった。

少しして雪煙が薄らぐと、綺麗に除雪されていた庭に雪の山が出現していた。

「落ちた落ちた。さあ。固まる前さよっこするべな」