と、そのとき。

屋根の上でミシッと不自然な音がした。

なんだろうと思って陽一は軒下から屋根の上を見上げる。

屋根の上には、堆く何十センチも雪が積もっていた。

屋根一面に積もった雪の中ほどに横真一文字の亀裂が走っていて、亀裂から下の部分が覆い被さるように軒先から空中にせり出している。

ミシミシいう音の出所はそのあたりのようだった。

「危ねぇって! こっちゃさ来い!」