「雪ハネ? …あっ、除雪ですね。じゃあ、力仕事なら僕が…」

言いながら、陽一は腰を浮かせる。

瞬間、美代と珠子の表情に憐憫の情が浮かんだのだが、そんなことは陽一は知る由もない。

善吾郎は、にわかに嬉しそうに婿を見た。

「やんやまあ、したって、ゆるくねぇぞ?」

陽一は「?」という表情で、助けを求めるように妻を横目で見る。

珠子は北海道弁の通訳はせず、ぽそりと一言、無表情に言った。