「正月、珠ちゃんさ、帰ってくんだべ?」

この春、東京のプログラマに嫁いだ一人娘の珠子のことだ。

善吾郎も珠子はずっと手元に置いておきたかったのだが、札幌支社に長期出張に来ていた馬の骨に捕まってしまい、職場結婚。

はるばる海を越えての嫁入りとなった。

盆には旦那の実家に墓参りに行ったので帰省はままならなかったのだが、正月には夫婦で帰ってくるのだという。

そのためにも、家の前は完璧に除雪し、綺麗にして娘夫婦を迎えてやろうと思っていた。