「そんなに張り合っていると、また腰が痛くなりますよ」

美代も、言っても聞くはずがないことは重々承知している。

編みかけのセーターを傍らに置くと、よいしょと立ち上がり善吾郎のジャンパーを出してきてかいがいしく着せかけた。

「したっけ、雪ハネさしてくるべ」

「はいはい」