「善ちゃんよ」

英作が、ポツンと呼びかけた。

「楽しかったさなぁ」

「なんだべ。死ぐようなことさ、言うんでねぇ」

「善ちゃんは、相変わらずだべ」

そう言って、英作は困ったような泣き笑いの表情になった。

そこには、あの日の少年ではなく、いつのまにか年老いて顔にも深く皺の刻まれた、老人の姿があった。