フリフリの黒い服を着せられ、頭には帽子をのせられ、目には黒いアイライン。

俗に言う、「ゴスロリファッション」というものそのものだったから。

私が唖然としていると「キャー!!やっぱ澪似合うー!!」なんて意味の分からないことを言っている。

そして、また手を引かれ美奈子さんの前へ連れ出され・・・。

さっきと同じように勝手に話が進み・・・・・。



・・・・・・・こうなった。

眼鏡を取られたから何にも見えない・・・。

今だに聞こえるシャッター音。

そして周りから聞こえる黄色い声。

・・・なんであんな黄色い声だしてんだろ。近くに花蓮が居るのかな。

そんなことを思っていると、「はーい、澪ちゃんお疲れ様♪」と楽しそうな美奈子さんの声が聞こえてきて、眼鏡を渡された。

「眼鏡外すと可愛いじゃない~♪じゃ、新規採用決定~っ♪」

「いぇーい!!やったね、みーおっ♪」

・・・・・話がまったく分からない。

私はまた制服に着替え、美奈子さんの部屋に連れてかれた。

なんでも、「悪魔蝶」の新コーナーに「ゴスロリファッション」を取り入れたいらしい。

それで、そのコーナーのモデルをやるはずだった女の子が体が弱いため医師に止められた。

だから代理のモデルを探してたみたいなんだけど、「悪魔蝶」の専属モデルの子は、それぞれがいろいろなコーナーを持ってるから無理らしい。

そこで、話に出たのが私。

花蓮が「友達に、可愛い子います!!!」なんて勝手な事言ったみたい。

「じゃ、これから撮影よろしくね♪」

「あ・・・あのっ、私・・まだやるとは・・・」

「えぇーっ!!やりたくないのー!?楽しいよー!!ハマるよー!!」

私が言葉を濁すと、花蓮がしがみついてくる。

その目は、「やってくれないと、泣くよ?」って言ってるみたい。恐ろしいな、花蓮・・・。

「あら、やらないの?」

美奈子さんもニッコリと微笑みながら・・でも、目は笑ってない。

・・・そんな顔で、2人に言われたら

「・・・・やらせていただきます。」

こう言うしかないわよね?