・・・・・なんでこんなことになったんだろ。

こんなことしてる暇はまったく無いのに。

早く帰らなきゃいけないのに。

なんで私は・・・・・。


『はーい、澪ちゃんこっち向いてー!!!』


『ほらっ!可愛いんだから自信もってー!!』


・・・・・なんで私は、こんなところでフリフリの服着て

お人形もって立ってるんだろ・・・・・。

私、三日月 澪(ミカヅキ ミオ)は・・・、さっきまで普通の高校生だったはずなのに。

・・・・そうだ、事の始まりは・・・・・あいつだ。




私は、学校が終わったらいつも通りに準備をし親友である花蓮の元へ向かった。

「花蓮ー、帰ろう??」

「うん、でもちょっと寄りたいトコあんだ、いい?」

「別にいいけど??」

そう言って二人で学校を出て、他愛もない話をしながら駅のほうに出た。

「何処行くの???今日撮影あったっけ??」

「ううんー??私は無いよー???」

そう、花蓮はモデルの仕事をしている。

今、女子高生に人気の雑誌「悪魔蝶」の専属モデルだ。

花蓮はずっとこの雑誌に憧れた。

だから私が書類を勝手に送ったんだ。

その時はすっごく怒られて、口もきかなかったけど書類審査が通ったって知ってすっごく大喜びだった。

そして、無事二次審査も通り見事モデルに。

今じゃ超人気モデルだ。

それに比べて私は・・・真っ黒の髪でストレート、おまけに眼鏡。

時々、花蓮の隣に並んでいいのかとも思えてくる。

そんなことを思ってると、目的地に着いたようで。

「みーおっ!!着いたよ!!」

目の前には大きなビル。そして「悪魔蝶」の文字。

「・・・・ねえ花蓮、ここって・・・・」

「そう!!雑誌“悪魔蝶”の事務所ー!!」