ビクゥッ




「か、彼方っ!」



私は無我夢中で彼方の胸にしがみついた





『あーくそっ!そこしがみついたら動けねえよ!』



だがそれは私の耳には聞こえなかった





『殺してやる…殺してやる…』


女はどんどん私たちのほうへ近づいてくる





「来ないでぇ…」


私はもう半泣きだった




『お前なんか…殺し…イタッ!』



『これだけ怖がってもらえたらお前も満足だろ?』




…?



『でもいきなり叩くってのは酷くない?』



『もう満足だったら邪魔しないでくれない?』




『話かみあってないし…ラブラブでいいわねっ!』




ベーっと舌を出すとその人は出口まで案内してくれた