ああ…
何だか昇降口までの道のりが短く感じるよ…
こんなに緊張してるのっていつぶりだろう…
『はーい、可愛いお嬢さん、ライトをどうぞ』
突然目の前に差し出された手には懐中電灯
腕をたどっていくとあのハイテンションな生徒会長だった
「ど、どうも…」
私は懐中電灯を受け取り
今時分が昇降口にいるんだってことにやっと気づいた
い、行かないといけないよねぇ…
いつの間にか隣にあいつが並んでいた
何だろう…
顔が熱いぞ…
『はい!じゃあしっかりてぇ繋いで頑張ってくださーい』
急に左手を引っ張られてさっきの緊張感など無いまま
あっけなく繋ぐことになってしまった
『最後に、俺たちは恋する女の子の味方だからね☆』
私にしか聞こえないように耳元で小さな声でそれだけ言うと
ドンッと無理矢理中に押し込まれてしまった
へ?
後ろで『頑張ってね~』と声が聞こえた気がするが
真っ暗な中でのその声に集中していられる余裕は私には無かった