嫌だ



他の女の人にキスしたのと同じ唇でなんて…


同じ想いでなんて…






すぅっと頭の中で何かがはじけ






「いやぁっ!…最低っ!」






気づいたら彼方を突き飛ばして


その教室を飛び出していた








心臓は壊れそうだし

足に力は入らないけど



私には走る事しかできなくて






ただ、誰もいない廊下を自分の教室へと向かって


ひたすらに走った







唇に残る熱が

何だか生々しくて



手の甲でごしごし擦りながら


後で唇が腫れてもいいと言う勢いで