ガラガラ




ドアの開く音


前のドアから誰か入ってきたようだ





ヤバッ


先生だったら気まずいな…





そろそろと壁を伝って何とか立ち上がり


そのドアの方へ向くと






「か…なた?」


嘘でしょ…



かすれる声でそう呟くと

その声で私に気づいたのか彼方がゆっくりこっちへやってくる





『お前だろ、さっきの覗き魔』


彼方は私の近くにある机の上に座り

くすくす笑いながらそう言った





「の、覗っ!…そ、それは…」


ば、ばれてる~!!




『由香里って案外エロいんだね』


顎をくいっと長い指で持ち上げられて

座っているのにやっと彼方と同じ目線になる