「咲…今日…コンタクト忘れたから…見えなかった…」

「そうなの?!大丈夫?」

「大丈夫…本…読まないの…?」

疑問形らしい…

「あー寝てようかな?その本、俺も好きだよ。」
俺は頑張って笑った。

「そう…なんだ」

しばらくの間視線が絡んでいたが、琉輝はまた本に視線を戻した。
どうやら本の字は見えるらしい。

「あっ…」

「ん?」

琉輝が視線を時計に向けたので俺も見ると、最終下校時刻だ。

「帰る…?」

琉輝が頷いたので俺も用意をした…っつっても鞄持っただけ。