「だって2人とも両思いなのにさ~…くっ付かないから…ちょっと危機感を持たせてみた♪」


『……。』



はぁ~…。



「ごめんって!…だって、恩返し?したかったんだもん…。」



語尾が弱々しくなっていく恋。



『恩返し?』


「ん…転校してきて一番に話しかけてきてくれて、俺…あれでも緊張してたから…嬉しかったから…ごめん…。」



しゅん…と小さくなる恋にふっ…と笑いそうになる。



『ううん、やっぱりこっちこそ…ありがとう。恋のおかげ。』



ニコッと笑って言うと、恋も嬉しそうにふにゃっと笑う。