あたしは夢を見た。


 
 素敵で紳士的な男性が


 
 あたしをお姫様抱っこをして


 
 柔らかいフカフカのベッドに、


 
 優しく降ろしてくれた。



 そんな夢…… ―――



 


 「 篠田さん。 」


 
 優しい声で誰かに呼ばれた。



 あたしははっとして目をパッチリ開ける。


 
 「 起きたね。おはよ。 」



 紳士的なかっこいい男性が、


 
 にこりと笑う。


 
 「 あの…ここは? 」


 
 入った事のないこの教室は、



 薬の独特な匂いで、



 白く清潔な部屋だった。



 ってここ



 「 保健室だよ。君、話す前に倒れちゃってね。 」



 またもやその男性はにこりと笑う。



 …かっこいい。

 目は大きくクリクリしてて、

 鼻も高いしスッとしている。

 けれど口は少し出ている。

 サラサラで黒髪。



 誰なんだろう…。


 
 そう思いながら男性を見つめていた。