「 那智!!! 」



 あたしは那智のもとへ駆け、



 ぎゅっと抱きついた。



 「 実來、泣き過ぎ。 」



 ぷっと笑って頭を撫でる那智。



 …那智の洋服には、

 カレーの匂いが染み付いている。

 そして昔から変わらない、

 あの匂いにほっと胸を撫で下ろす。



 「 だってめっちゃ怖かったし…。 」



 そう言ってまた涙を零す。



 「 とにかく1週しないと。

 行こう? 」



 那智は無邪気な笑顔ですっと




 手を出す。



 「 …うん。 」



 あたしも笑顔で答えると、



 那智の手を握り締めた。



 「 よし!走るぞ!! 」



 那智がそう言うと、



 あたしの手を引きながら、



 全速力で走って行く。