「 はあ…。 」



 ばたんと地面に立ち崩れる。



 怖かった…。

 すごい怖かった…。


 
 さっきの恐怖が蘇って来る。




 涙目で辺りをキョロキョロ見回すと、



 隣に居た先生は居なかった。



 「 先生? 」


 
 呼んでも返事は来ない。



 「 せんせ…。 」



 あたしは一人になった悲しみから、



 涙が零れ落ちる。



 「 実來!!! 」



 後ろから懐かしいあいつの声が、



 聞こえて来た。



 「 …那智…? 」



 ゆっくりと後ろを向く。



 栗色の髪。



 高身長で細身。



 それはいつも一緒に居た、



 那智だった ―――