「 ええっと確か女子トイレだよね? 」



 おそるおそる振り返って和泉先生を見る。



 「 そうだよ。

 でも俺は入る訳にはいかないな。 」



 そう言ってにこにこと満面の笑みを見せる。



 「 だっだめ!一緒に行こう!! 」



 先生の腕を掴み、



 女子トイレの中に入って行く。



 「 このトイレのどこかに、


 女の子が居るんだってな? 」



 「 う、うん…。 」



 電気もつかない女子トイレには、



 窓から月の光が漏れている。



 何も聞こえなさそうで、



 聞こえるような音…。



 あたしはまず1番目のトイレを開けた。



 「 大体3番目のトイレって、

 決まってるから居ないよね…。 」



 作り笑いをしながら1番目のトイレを開ける。



 「「 …ぎゃああああああああ!!! 」」



 1番目のトイレには、



 おかっぱ頭の女の子がちょこんと座っていた。



 先生と同時に悲鳴を上げると、



 すぐに女子トイレを飛び出た。