「 次…篠田、和泉先生。 」



 伊藤先生の太く低い声に、



 ドキッとした。



 「 は、はい。 」



 あたしはろうそくを取りに、



 伊藤先生のもとへ駆けて行く。



 「 んじゃ頑張ろうな。 」



 伊藤先生の後ろに居た和泉先生は、



 余裕な笑みで何だかほっとした。



 ろうそくを手に取り、



 体育館の出入り口のドアを開く。



 「 お、案外お化け居ないじゃん。 」



 手を組みながら目を丸くする先生。



 「 それが居るんだってば…。 」



 声を潜めて、



 先生に言うと、



 ゆっくりと歩いて、



 まずは一番近くにあるトイレに向かった。