そんなあたし達の悲鳴にも関わらず、
二人の先生は話を続ける。
「 あれ…?
何だかサイレン聞こえませんでした? 」
「 そうですね、伊藤先生…。 」
そしてまた、
不気味に微笑んで懐中電灯を顔に照らす。
うわ…。
あたし本当にこういうの苦手…。
前肝試しした時なんか、
相手の子置いて、
一人で逃げて来ちゃったし…。
保育所の時なんか、
怖すぎてお漏らししちゃったし…。
そう考えると、
あの時実感した怖さが、
ひゅうっと蘇って来る。
「 今日はねここの町に、
空襲が来た日なんですよ…。 」
「 知ってます…。
しかもこの学校は、
昔の墓地だったとか…。 」
「 じゃあ皆で空襲で死んだ人に、
ろうそくを灯してあげましょう…。
最初のA組…多田、蒼井…前へ…。 」
多田さんと蒼井くんは、
足をガクガクさせながら、
先生たちの居る所へゆっくり歩いて行った。