「 つかさお前こそ何してたんだ? 」


 
 何も知らない那智が、



 目を丸くして問い掛ける。



 「 う…。 」


 
 今一番知られたくないのに…。

 

 と、思いながら下を俯いた。



 そんなあたしに感づいたのか、



 「 もしかして…テストの事? 」



 「 う、うん…。 」



 コクコクと頷くと生徒玄関まで走った。


 
 もー!!!

 那智にだけは絶対に聞かれたくないのに…。



 「 実來!! 」



 那智も後に着いてくる。



 すると那智はあたしの



 腕をぎゅっと掴んだ。


 
 「 勉強…教えてやろか? 」



 真剣な眼差しで問い掛ける那智。


 
 あたしは赤い顔を片手で隠しながら、



 「 …補習あるから。 」



 と言ってまた走っていった。