「 …これで教科書は行き渡ったな。

 そろそろ時間だし終わるぞ。 」



 そう言うとクラスはわあっと歓声が上がる。


 
 早く終わるのを楽しみにしているんだろう。



 「 はいはい。起立、気をつけ、さようなら!!! 」



 「「「「 さようなら!! 」」」」



 高校生活1日が終わった。



 明日から普段通りの授業が始まる。


 
 あたしは机の横に掛けていた鞄を手に取り、



 隣のクラスの那智と帰る事にした。


 
 「 んじゃみーちゃんばいばーい!! 」



 教室へ出て行こうとすると、



 あややんが笑顔で手を振ってくる。



 「 ばいばい!! 」



 あたしも笑顔で手を振る。



 

 「 なーちー。 」



 1年B組にひょこっと顔を出す。


 
 すると男子と話していた那智が、


 
 あたしに気づいてこっちへ来てくれた。



 「 よっ実來!どした? 」


 
 相変わらず馬鹿でテンション上がっている、那智。



 「 一緒に帰ろう? 」



 そんな那智にわざと上目で甘える。



 「 い、いいいいいいよ! 」



 那智は顔を赤くしてすぐに鞄を取りに机へ向かった。



 「 おまたせ!!行こう。 」



 そう言ってスポーツバッグを肩に掛けた。



 「 うん。 」



 こくんと頷く、あたし。