「…あん?なんでえ旦那、急に喚び出した割には敵が居ねえじゃねーか。どうしたんで?」


赤髪の鬼は素早く周囲を確認すると危険は無いと見て、何故自分が喚び出されたのかを問いかけた。


「別に敵が居る時以外に喚び出されてもいいだろう?前鬼は何かにつけてすぐ熱くなる。」


青髪の鬼はやれやれといった様子で首を振った。

どうやら赤髪が前鬼、青髪が後鬼らしい。
性格はまだよく分からなかったが、透は自分が感じた第一印象は外れていないという自信があった。


そして晴明は2体の鬼に向かって手招きをすると、炎の中を見るように言った。

ゆらゆら揺らめく炎の中に何かが見えるらしいが、透にはただの炎にしか見えなかった。


「どうだお前達、これが帝から討伐を依頼された鬼達だ…数もさることながら親玉を知っているか?」