それから透は頼光に用件を終えた葉明とは別れ、占術をしているはずの晴明の様子を見に戻る事にした。


(周りの背景が先程よりも流れが速くなった…。やはり夢の中では固定した時間の流れでは無いようだな…。)


今までは昼過ぎくらいの時間だったはずなのに、いつの間にか外はすっかり暗くなっていた。

所々にくべられた松明の明かりだけを頼りに、透は晴明の居る部屋を探していった。


(現代とは違って電気が無いのは不便としか言えないな…。)


通り過ぎる人達が慣れた素振りで歩いて行く中、透はようやく占術の間に辿り着いた。


扉を開ける必要は無かったのでそのまま壁を通り抜けて中に入ると、晴明が中央の祭壇に立っているのが見えた。