(葉明…葉明…。確か白蓮様が言ってたのは…
神楽葉明!?神楽一族の始祖!と言うことはその時代の有名な陰陽師…あの男、安倍晴明か!?)


透は千年以上経った日本でも知っている者が多い歴史上の人物を目の当たりにして、驚きと共に感動を隠せなかった。


その後再び背景がぐるぐると移り変わると、透は豪華に飾られた建物の敷地の前に立っていた。


(また場面が移行した…話の流れからしてここは朝廷…か?)

キョロキョロと周りを見渡してみると、そこには着飾った多くの人達が忙しそうに歩き回っていた。
巻物を抱えた人や部下に指示を与えている役人、牛が引く荷台に食料を積んで運び入れる町人等、多くの人達が入り乱れている場所だった。


そんな様子を見ていると、門の入り口に牛車が一台停止したのが見えた。

(あれは晴明の乗った牛車か?)