頭に手を当てて思い出そうとしていると、周りの風景がどんどん町の中へと進んでいった。


(な…なんだ!?俺の夢じゃないのか!?)


自分の意識とは関係なく進む背景に驚いていると、いつの間にか透は大きな屋敷の前に立っていた。


(何だよ次は…この屋敷に入れって事なのか?
それにしても作りがおかしいな…地面もアスファルトが…無い!?)


ようやく辺りの様子の異変に気付いた透は色々な所を観察した。


(町を歩く人の服…でこぼこな地面…木製の家…ここは昔の京都…?)


自分が知るはずもない時代なのに、まるでその時代に来たかのようなリアルな状況…。


そんな周囲の様子に、透は自分が見ている夢では無いと確信することが出来たのだった。