「透さんの怪我が一番ひどいと聞いていたのに、ずいぶんと早い退院だったねぇ?」


報告を受けていた透の容態は全身に骨折があり、折れた骨が肺に突き刺さっているという重傷だった。

しかし今白蓮の前に居る透はギプスも無ければ、かすり傷一つ無かった。

不思議そうな顔で見つめる白蓮に、居心地悪そうにしていた透が病院での一件を話した。


その話を驚いたように聞いていた白蓮だったが、視線を幹矢に向けると丁寧に頭を下げて礼を言った。


「そんなに改まられるとこちらが照れます!僕に出来る事をしただけですから、お気になさらずに。」


幹矢は照れくさそうに頭を掻いた。

そんな二人の姿を見ながら沙綺は御影に声を掛けた。


「御影さん、もう体の方は大丈夫なんですか?」