原因不明の記憶喪失から約3ヶ月経った。

俺こと高倉沙綺はマンションに帰り、いつもと変わらぬ日常を送っていた…。


「沙綺ちゃーん!朝ご飯出来たよ〜!」


彩音の声が聞こえる、早く行かないと忍の雷が落ちそうだ。

俺は適当に返事を返してリビングへ向かった。


「あ、おはよう沙綺。早く食べちゃって、片付かないから。」


「ああ…って、忍またやったのか?」


俺はテーブルの上の料理を見てそう呟いた。


「ん?…あちゃー、ホントね!どうしてかしら?いつも知らず知らずのうちに四人分作っちゃうのよね…。」


「おかしなしーちゃん。ここには三人しか居ないよぉ?」


「うん、解ってるんだけどね。後一人居るような気がして…。」


忍はそう言って首を傾げた。

実はあの日以来皆の様子が少しおかしいのだ。それは俺も含めてなんだが…。